元看護師が義父の外来受診に付き添って感じたこと!患者さんに‟理解しろ”って言うほうが無理だわ…

今回は、『義父の外来受診に付き添いして感じたこと』についてのお話…

義父がPCIを受けまして…

自分の病状が理解できない

今から約4か月前の話…

労作時に胸部症状が出現するようになり、どうやら独りで総合病院を受診し、PCI(経皮的冠動脈形成術) が必要と説明され、入院することになった義父。

入院に際して、保証人が必要なために息子である旦那さんに連絡が入り、初めて義父が狭心症疑いであることを知った(;一_一)

先に言っておくと、決して親子の関係も悪くない。
家も近所で月に数回は顔を合わせているし、電話でも普通に話していたが、体調が悪く病院にかかっていたことは内緒にしていたようだ。

義父の話ではあまり状況が把握しにくかったのだが、要は症状があるので受診し、狭心症が疑われたため、心臓CT検査を受け、狭窄を認めたためPCIを受ける必要が生じた…ということのようだ

主治医の先生は何て言ったのか?
と尋ねても、本人はよくわからない・・・

PCIが必要だとすれば、長年循環器ナースとして働いていた血が騒ぐ(。-`ω-)

義父に今置かれている病状や狭心症について私から説明したが、ちゃんと理解できたのか疑問が残る反応だった(-_-;)

自分が受けた治療がわからない

PCI当日、息子である旦那さんは仕事のため、嫁の私が病棟の待合室で待機…

新型コロナの影響で面会禁止…義父にも会えない…

PCI治療が終わり、主治医の先生が待合室で待機していた私に口頭で説明をしてくれた。

今日はLCXにステントを留置したが、LADにもPCIが必要なため入院継続して治療をしたいとのお話だった。

もちろん『よろしくお願いします』と治療をお願いした m(_ _)m

そのあとで、義父に会うことができたため、主治医からの説明内容を話し、継続治療の必要性を説明したが、退院が予定よりも長引いたことの方が気になる義父(-_-;)

‟身体あってのことだから” と説明し入院を継続し、必要な治療を受けて無事に退院。

治療後、主治医の先生からどんな説明を受けたか義父に聞いても、よくわからなかったらしい・・・

外来受診に付き添って感じたこと

自分の症状を上手く主治医へ伝えられない

義父がPCIを受けてから約3ヵ月経過しようとしている頃から、再び労作時に胸部症状が出現するようになった。

義父によると、定期外来受診日に胸部症状が出るようになったことを伝えたが、心電図と採血結果から問題ないと言われ、次回定期受診日が2か月後に組まれ、薬も同じモノを出されたと…(。-`ω-)

それからも労作時の胸痛は続き、ある日とうとう息子に電話をしてきた。

旦那さんは父の元へ行き、病院へ電話をすると定期受診日を早めてくれた。

その早まった定期受診日に義父だけを行かせるのは不安だったため、仕事で付き添えない旦那さんに変わって、私が一緒に病院へ付き添った。

主治医の先生を前に義父が少し動くと胸が詰まるかのように苦しくなることを伝えたが、どこか遠慮がちで苦笑いしており、切羽詰まった状況のようには、はた目には写らない

そして、義父は私をチラリと見る…

私は主治医へ自分が循環器の元看護師であったことを伝え、義父の症状について付け加えて説明した。

▪100M程度歩くだけで胸痛が出現し、安静で症状は改善する
▪最近はその頻度も多くなっている
▪血圧が高めなことも気になる
▪家族としてはCAGをしていただき、必要ならばPCIを受けたいと思っている

旨をお伝えした。

義父は苦笑いしながら、小さくうなづいていた。

治療方針を決められない

義父の主治医はとても優しく、うなづきながら家族の思いを聞いてくれた。

主治医から、
■血管拡張剤を追加すること
■再狭窄もしくは新しく別の部位が狭窄している可能性があること
■カテーテル検査をして、治療が必要ならそのままカテーテル治療が可能なこと
■カテーテル検査もしくは治療には、入院が必要なこと

の説明があったが、義父はただうなづいて聞いているだけで、はっきりとカテーテルを受ける意思表示をしない

主治医はわかりやすく義父に2択を提案した。
①血管拡張剤を追加するので、(入院を躊躇しているなら)それで症状が良くなるか少し経過をみるか
②入院してカテーテル検査(治療)を受けるか

しかし、何がベストなのかわからない義父は私のほうをチラッと見る
私:「入院して、カテーテルしてもらお」と言うと
義父:「うん、そうだな」と了承・・・

2回目の心臓カテーテルなのに…

主治医からのカテーテル検査、治療についての説明中、義父はうなづいて聞き最後に同意書にサインをした。

一旦、診察室から退室し待合室に出ると開口一番
よくわからん(笑)” と・・・Σ(゚Д゚;)エェェェ~

約4か月前に受けているPCIでも、医師が実際どんなことをして、どんなリスクがあるのかなんて、パァ~っと口頭で説明されてもわからないのが現実(-_-;)そりゃそうだ

今の医療現場に必要だと感じること

理解力に合わせた説明

外来診療をしている医師は、そんな悠長に説明している時間的余裕はない…

外来予約している患者から「何時間待たせるんだ!」とクレームがくるので、事務長から「待ち時間が少なくなるようにお願いします」なんて言われるケースもあり、医師だって大変(-_-;)

でも今回、義父が言ったような
よくわからん” は別に珍しいことではない
(;一_一)

外来患者さんだけでなく、入院患者さんだってそうだ。

医師からの説明時は「はいはい、お願いします」と言っても、いざその検査の前処置に伺うと、‟どうしてその検査が必要なのか” ‟自分は今どのような病状なのか” さっぱりわかっていない患者さんが多い(;”∀”)

それもそうだ…医療者でもあるまいし、短時間によくわからない医学に関して話されたってわかるもんか!

だから私は思う…

医師の説明の後に、必要ならば再度検査や治療に関して時間を気にしないで、ゆっくり受け答えできるような説明専門の看護師を配置すべきだと。

しかし、看護師とて自分が関わったことのない検査や治療は説明しにくい。

そのため、実際の検査を見学したり、携わってる看護師から特にどういったことを患者さんに説明して欲しいのか、どんなことを患者さんは勘違いしやすいのかなどの意見を聞いて説明に生かすべきではないだろうか…

この役割は1人では難しいため、医師や看護師、検査技師、放射線技師など複数人で組織的に関わっていくべきではないかと今回痛感した。

あとで見直すことのできるわかりやすい説明書

患者さんもそのご家族も説明を受けた時は理解できても、時間が経つと
‟あれ、これってなんだっけ?”
‟検査前日って、何すればいいんだっけ?”
となるもの…

確かにその時は理解できた
しかし説明量が多すぎて、あとになって混乱しても何ら不思議はない

そんなときにあとで再確認できるように説明用紙』が配布されるのだが、文字が多く、漢字がいっぱい羅列されていて、見るからに解読するのに手間がかかりそう(⊙_⊙;)

その時点で、熟読なんてしない人がほとんどではないだろうか…(* ̄0 ̄)ノ

単純明快で簡潔
そんな説明書はないものか…とつくづく思う。

例えば、表面にはおおまかな検査などの流れをイラストやマンガを多く取り入れ、イメージしやすいように説明し、裏面に詳細を説明するとか ψ(._. )>

それにしても、医療用語ってどうしてあんなに名称が長く、難しい表現が多いのか…

最後に…

今回、義父の外来受診の付き添いで感じたことをブログにしてみた。

私は元看護師という立場から理解できるが、義父にしてみれば
疑わしい病気の説明を受け、必要な薬や検査の話を聞く
検査・治療の説明を受け、同意書にサインする
入院の手続きをして、必要書類の書き方の説明を受ける
を、数時間の間に一気に聞き、理解をし、記憶しなければならない

こうなると理解力」の問題ではない
‟入院しないといけない” ということ自体に動揺している身の上に押し寄せてくる、大量の情報量を処理しないといけないんだと実感。

そのサポート役は?
家族?ケアマネジャー?地域包括支援センター?役所?
高齢化社会の中、この日本でゆとりを持ったサポートはもはや困難なのか…

とりあえず、今回は「義父専用」に写真やイラストを多く使ったパンフレットを作って渡してみた。

少しでも狭心症や自分が受けた治療についての理解に貢献できたのなら御の字だ!

コメント

  1. […] […]

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